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2019.05.30

「生徒に100%全力投球したいから」 フリースクールRiz たかれんさん

たかれん

10代向けサイトや中高生向けフリースクールRiz設立・運営

スズキヒデノリ

名古屋市、1985年生まれ。ライター、ブロガー、インタビュアー

本記事は、偏愛と日常を届けるインタビューメディア「aboutalkからの転載です。転載元:https://aboutalk.com/takaren-kktm/

学校に行けない子どもたちのために、勉強やコミュニケーションの場を提供するフリースクール。学習塾がフリースクールを運営するところもあれば、区民センターの1室を曜日限定でフリースクールとしているところもある。

今回は、東京都目黒区にあるフリースクールRizの代表をされている たかれんさんに話を伺った。インターネット上で、ご自身の経験を踏まえた積極的な情報発信をされている たかれんさんが感じるものは何だろうか。

--たかれん

1997年神奈川県生まれ、自身が不登校で悩んだ経験から、18歳のときに10代向けコミュニティサイト「ティーンズプレイス」を設立。21歳のときに中高生向けフリースクールRizを設立。

SNSやホームページで情報発信をしながら、悩んでいる10代の居場所づくりをしている。

ツイッター…(@takaren_kktm)

ウェブサイト…https://riz-school.com/

“自分を発信”することで誰かの支えになっている

--先日もwithnewsで取材された記事がYahoo!ニュースに掲載された たかれんさん、自身の過去を公開することに、恥ずかしさなどはなかったのだろうか。

もう慣れました。最初のころは、会ったことのない人からツイッターで「応援してます」などとメッセージを頂くと、「この方は誰なんだろう?」と思っていました。

1回だけ、街中で声を掛けられたことがあるんです。

「たかれんさんですか?? 記事読んでます!!!」って。

声を掛けてくださったのは、中学生くらいの女の子だったんですけど、すごくテンションが上がってしまって。

私が思いを伝えたい10代の方に知ってもらえていることが、嬉しいけれど、どこか恥ずかしい、そんな気持ちでしたね。

実際に声を掛けられたり、メッセージを頂くことで、私の思いが届いているんだな、と感じることができました。

過去の私を公開しているプレッシャーもありますが、それに勇気づけられる方がいたり、直接声を届けてくれる方がいると励みになったり。恥ずかしいなんて言ってられなくなります。

負い目を受け止める役割

--昨年6月に開校したフリースクールRiz。たかれんさん、そしてフリースクールの役割とは。

フリースクールを見学に来てくれたお子さんとは1時間程度、1対1で話をします。

私も不登校の経験者なので、当時のことを思い出しながら、「中学校の頃こういうこと嫌だったんだよね」と話しかけると、「それ一緒!」なんて反応してくれる子は多いですね。

そういったきっかけで、話が盛り上がることが多くて。まずは私が心を開いてみる、そうすれば相手が近寄ってきてくれる。

実際にお子さんの話を聞くと「それ、わかるわー」ということばかりなんです。

私が学校行ってなかったのも8年ほど前なので、今とは環境が随分違います。

インターネットは普及してるし、コミュニケーションの役割や形は変わっていているんですけど、「嫌だな」って感じるところは今も昔も変わらない。

学校に行けない負い目をみんな感じているんです。

少しずつ不登校という言葉も知られてきてるし、不登校だった自分を発信している人も多いので、世間の理解も深まってきてるのかなと思うんですが。

子どもは「やっぱり学校に行ったほうがいいんじゃないかな」って思っているし、親御さんも「どうにかして学校に戻さなきゃ」と接してしまう。学校が嫌で悩んでいた子たちが、いつの間にか家庭内の雰囲気が悪いことに悩みはじめています。

そういう話を聴いていると「お母さん、それ言っちゃダメだよ」と思うこともありますね。

みんなで接するということ

フリースクールで重要なのは「親御さんと子どもの橋渡し」だと思っています。

例えば中学生の親御さんとしては、高校や進学についてどう考えているのか、今の中学校に戻る気持ちがあるのか。そういったことを知りたいんですよ。

でもそれを家で聞こうとするとハードルが高く、うまくコミュニケーションを取れないことも。

そんなときにフリースクールの仲のいいスタッフさんを通して、お子さんの考えや希望を聞いてあげる。そうやって橋渡しをしているんです。

親御さんと直接お会いすることは頻繁にはないんですが、定期的にお話をする中で、家庭内のお子さんの様子も変わってきたりするみたいで。

今まではフリースクールに行く準備を、お母さまがされていて、「そろそろ行く時間よ」なんて言っていたんですが、ある時からお子さん自身が荷物の準備をして「時間だから行ってくるね」なんて変化があったり。

スクールの中でも敬語でかしこまってた子が、冗談を言うようになったりすると、少しだけ距離が近づいたのかな?なんて。

子どもはすくすく成長していくので、私たちも置いていかれないようにしていますよ。そんな子どもたちを傍で見られるフリースクールは楽しいですね。

その子のために100%全力投球

フリースクールの代表をする前は、学校の先生になろうと思っていました。学校の中で子どもたちと接して、居場所をつくったりフォローをしたりと考えていたんですけど。

学校の先生は学習指導要領で教える範囲も決まっているし、行事もある。子どもと接する以外にも、やらなければならないことがたくさんあるんです。

それだけ制限がある状態で、クラスの1人が学校に馴染めてなかったとしても、気付くのが難しいのではないか。仮に気付いたとしても、その子にあったサポートをするのは難しいのではないか。

そう考えたときにフリースクールは、カリキュラムがないから100%その子に合わせたやり方で接することができる。例えば「プログラミングがやりたい」と言われたときに、5科目に当てはまらないようなことも縛られずに一緒にやってみよう、って取り組むことができるんですよ。

周囲の目線が変わればいいな

--最後に、これからの環境に期待することを聞いてみた。

「学校に行けてない自分」に悩むより、「それをどう思われているかが怖い」と悩むことのほうが多かったんです。

「何となく今日は学校を休みたいな」という気持ちが許されてもいいのかなと思っています。

私の高校時代の話なんですけど。電車通学だったんですね。

ある夏の日、いつもの電車の乗り換えのとき、「今日は学校行くの嫌だな」と思ってしまって。学校には休む連絡を入れ、江の島まで行ってしまったんです。

いつもと違う風景、夏の江の島。それがすっごく楽しくて。

浜辺でアイスクリームを食べて、しらす丼を食べて「これめちゃくちゃ美味しいじゃん」なんて言いながら。

モヤモヤしていた気持ちもスッキリして、次の日はいつも通り学校に行ったんですけど。

この経験で、心の持ち方が変わりました。学校に行かなくても居場所があるんじゃないか、楽しめるところがあるんじゃないか。

そう思ってから学校が楽しくなって。あれは忘れられない経験でしたね。

とは言え、制服姿の中学生や高校生が図書館にいたとしても声を掛けられることもあるんですよね。午前授業で図書館寄っただけなのに、みたいな時間でも「あの子、学校に行ってないのかしら」って見られてしまう。

「不登校は可哀そう」「何か辛いことがあったんじゃないの?」

そういった目で見られることのほうが辛かったりするんです。

周囲の方々がもう少し安心して、ゆっくり見守ってくださると、不登校の子どもも過ごしやすくなるんじゃないかな、なんて思っています。

インタビューを終えて

フリースクールについて詳しく聞くことができた今回のインタビュー。学校に行けないお子さんの居場所づくりは繊細で大変なことと思います。

インタビューの中で「行かなきゃいけない学校に行くことができなくて、次の環境に、とフリースクールを選んでくださる。そこに居場所がなかったら本当に凹みますよ」とおっしゃっていました。

ご自身の経験からなのか、相手に対する思いには配慮があり、不登校の方のことを全力で考えていらっしゃる様子が伝わってきます。

まもなく開校から1年。これからの活動が楽しみです。お忙しい中ありがとうございました。

たかれん

ツイッター…(@takaren_kktm)

ウェブサイト…https://riz-school.com/

写真提供…たかれんさん、ぱくたそ

取材・文…スズキヒデノリ(@acogale)

[aboutalk編集部]

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